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もうすぐ除夜の鐘

2022年というより、昭和97年。(こんな風に云う年はありませんね)
昭和8年に少し若死にで亡くなった祖父春挙に会うことなく、
それでも孫として昭和18年に生まれた私は、今年春挙生誕150年を迎え
そして今その年を送ろうとしています。
ま、ある意味で大きな年でした。思いがけない人との出会いもありました。
春挙がかつてお弟子さんたちとよく訪れた富山の美術館でも開催された
春挙展の開会式に招いていただき、ついでに銘酒「立山」を久し振りに飲む機会にも
恵まれました。
過去10年の平均を遥かに超える拝観のお客様が春挙作の「蘆花浅水荘」(建築)に
訪れていただきました。
あまりの忙しさに80才目前の私は2度「ギックリ腰」を味わいました。(今その2度目に
呻吟しています)
それでも、もうすぐ「晦日そば」を味わうときです。

平素はとても忙しく過ごしていた我が母のホッとした顔を見るのは毎年この日の
この瞬間。そして
私が母の(私への・・私のでなく)希望の大学に合格したのが判った瞬間であったことを
60年経った今でも鮮やかに思い出します。

  その前に 一本つけよ 晦日蕎麦  狩行




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我が今年(こんねん)も年の瀬へ

TVやラジオをつけても、新聞を広げても「慌ただしさ」を
クローズアップしています。
同じ時間が流れているのに、トシノセというだけで、何なんだ、という
想いと70代最後の年にもたらされた「人生の大やま」
を乗り越えた、来年早々に80才に到達という思いが
我が心の中で交錯します。
大学を卒業するときに感じた「我が<青春>の大半は終えた、テニスに
燃えつき得た」という思いの中には、「これからの、今までより
きっと長い人生に果たして何が起こるのだろう」という希望とも
不安とも分かたぬ混沌の思いがあったのは事実ですが。
今は「思い」だけでなく現実として、<人生>の大半は終えたという
どちらかというと一見「淡々たる」境涯に立ち入ったかのようです。
やるべきことはというか、やり残したことはまだまだある、ということの方が
正しいのかも知れませんが。
あらためて、春挙の造った座敷から春挙の作った庭を眺めます。
50歳になるやならずで、この作品を作った春挙の胸に去来したものは
何だったのでしょうね。
庭の草木は寒風に身を任せるのみです。

 山茶花の 咲きし今年も 師走かな  万太郎

この人には

 湯豆腐や いのちのはての うすあかり    という絶唱があります。



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寛じーじの大冒険!

忙中閑あり寒もあり。
猛烈な寒気が日本列島に来訪中です。
お客さんも少し静かだったり、この寒さ故お断りしたり・・
今日は家内とのお付き合いで、大津市都心にお出かけ。
新年に向けてのお節(せち)にまつわる品のお買い物の品定めが主目的・・
BUT、妻には下心あり。
買い物の前に、「くら寿司」(ご存じの方も多いでしょう、近頃
伸び盛りの回転寿司屋さん)で腹ごしらえをしようとの提案!です。
5,6年前?娘たちが大津に来たときに連れてくれました。
我らが時代の、カウンターを挟んでタイショウと世事を語らいながら飲む、
方が主体の飲み食いではなく(これは呑み助流)、くるくる
と無機質的に我らが前に訪れる「製品」を只管口に入れて(私には
そう思えた)空腹を満たしていく・・当時としてはこの世界では最先端システム。
好みのものもドウ注文していいか判らず、慣れた感じの娘たちの言うが
ままに任せ・・それなりに親子孫の交歓を果たしながら、「ちょっと違うなあ」。
こんなイメージのまま、店に入ります。
「母さんにまかせたよ」・・ところが妻も「私もこういうところは
久し振りよ」・・ちょと待ってよ。
と、取り敢えず傍らのタッチパネルを見やります。
(以前ならここでお手上げだったのですが、)近頃はスマホ君とのお付き合いも
少し出来て来た私、妻の一方的なアドバイス!も少しかみ砕きながらちょっと
画面につきあえます。・・かくて・・
(というより、技術の進歩は彼らの方が格段「客扱い」に進歩し、)
昔の不愛想な店員さんよりはるかにうまくこのジイサンを誘導してくれ、
まあ妻との会話も何とか成立させながら、その場を済ませることが
出来ます。
残念だったのは、ビールとかお酒を注文できる画面に到達できるのが
遅く、こちらが満足出来なかったこと。
勘定のころになって、ようやく判ったこの道筋を心に据え、
次なる参戦へのよすがと誓ったことでした。
(次はサッとそらすべく)










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長いようで短かった・・

この年2022年も最終コーナーに入りました。
余すところ後10日です。
大いなる不安と小さな希望を傍らに突っ込んだこの年。
すなわち、春挙生誕150年記念展(此方の方は大津市歴史博物館と
滋賀県立美術館の主管なので、直接重荷がかかって来るわけではありませんが)と
それに従う我が家での造営101年行事としての特別拝観をどう受け止め、
進めて行くのか・・昨年の今頃のブログを読み返しても、我ながらかなり
緊張していたのが伝わって来ますね。
周囲のいろいろな人たちのご協力を得て、早春に始まった諸行事は
何とか無事にというか、自己採点ではかなり高得点で、初夏の大ヤマを
越え、夏の着地点に到達、スローダウンしながら、ここに至りました。
一つの指標とする拝観来客数は、コロナ以前大体年間1000人だったのが、
今年は現時点で約2700名。
昨年のTV放映が好評の「100年名家」の影響もまだあるようですが、
生誕150年記念展の効果が大なるものと言えますね。
気負うつもりは全くありませんが、この流れにうまく乗るべくもうひと
頑張りと、鈍色の寒空に胸を反らしてみます。

  北風に あらがふことを 敢へてせじ  風生

とも思いながら。

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師走半ば

12月に入ったのは昨日のように思えているうちに、もう15日
が過ぎました。
56年前に56歳で亡くなった母の命日も過ぎました。
辛うじて仏前に「観音経」を納めることだけは出来ました。
春挙生誕150年の諸行事に関わりながら、それらを一つ一つ
果たしていく中で、ようやく母親への孝行も少しは出来たかなと
自己満足する不孝息子の姿がそこにあります。
この数日、突然の「寒波?」が比較的温暖なこの地方をも包み込み、
寒がりの老人はヤレヤレ・・
今年前半の来客の勢いがようやく収まり、ボランティアさんが程よく
掃きあげてくれた門内のアラレ崩シを歩みながら、すっかり裸になった、
幼馴染のカエデ君に語るともなく話しかけるひと時であります。

  落葉踏む こころのままに 落葉ふむ  カオル
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ようやく落ち着く(?)お客の流れ

久々に三河に行ったこともあって、ブログを綴るに
間があきました。
穏やかな冬日が朝から頭上を動いています。
すっかり葉を落とした楓やサルスベリやひめしゃらの幹や枝が
雲の無い青空に突きささっています。
彼らも一年激しい光、熱や風雨の中を生き抜いて来たのですね。
自分だけが「しんどかった・・」などとは言えません。
随分楽しい瞬間もあったのですから(この齢にして・・)
春挙生誕150年という少し私には尖った年がまず柔らかに
過ぎて行こうとしています。
ひと休みしながら、「蘆花浅水荘」という春挙の「大作」を
どのように持って行くのか、を考え始めます。

  佇めば われも一樹よ 冬木立  芳子


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光陰いよいよ疾く

師走に入って早や5日。
日月の速度は一段とギアーを上げたが如く。
かの地で行われるWcupサッカーで日本代表がドイツ、
スペインという強敵を屠っているのをTVでながめている内に、
時はあっという間に過ぎました。
昨日(12月第一日曜)は恒例「福岡朝日国際マラソン」から「早明ラグビー」
という、まさに往時は冬の風物詩として、若き我が身をそのうちに入れて
興奮させてくれたスポーツがその魅力が失われつつあることをさながらに
感じさせてくれつつそしてそそくさと過ぎて行きました。
こんなところに、時の経過の速さを実感しながら、春挙生誕150年に
終始した我が晩年の結構充実したと思える1年が過ぎつつあり、そして2度と
戻って来ぬことも実感しています。
「もう帰らないあの夏の日」なんて歌謡曲の一節が浮かんできます。
後30日も切ったこの年・・

  何もなき 師走の流れ 早きかな  淡路女

  


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