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今冬の涯

今年の1月も早くも30日。
昨秋10月末から咲き続けてくれた蘆の花に
衰えの影が見えるとともに、その後陣に位置する
紅梅が出陣に備え、赤いツボミをほんのちょっと顔出し
させて来ました。
こんなところにも季節の移り変わりを感じさせてくれる
庭の片隅です。
歳時記を片手に季節の句を探していて、「冬」という字
と「尽]という字が、書いてみるとよく似ている、ということに
この齢にして初めて気がつきました。
若いころは、春夏秋冬は自分にとっても循環し続けるものと
思っていましたが。
人生の玄冬を迎え始めた今、玄冬の次に青春はない、と
思わざるを得ませんね。
それだけに、一瞬一瞬を大切にせねば・・と殊勝げに
思ってみたりもするのですが。

 冬尽くと いふ甘美なる 語のありき  山冬子

こんな句にも魅かれますね。

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久々冬の青空

冬はそれなりに鈍色の空がお似合いですが。
そればっかりでもね。
まして去年から、招かれざる客コロナ君にも覆われて。
寒さとコロナに気を奪われているうちに、1月も残り一週。
今日は久々、雲一つない、と言ってもよい青空。
ちょっと春の近づいたことを思わせる暖かさも。
この時期恒例の大津消防署による防火体制査察を滞りなく終えれば、
特に予定なし。
庭の芦や馬酔木の花が彼らなりに咲き誇るのを横目に見ながら、
琵琶湖岸を歩きます。
湖上では水鳥君たちもたゆたってます。
遠く比良の峰には流石雪雲がへばりついてますが。
うーん、と深呼吸しながら、いろいろのことが来るであろう
春に向かって歩く、「老春」のひとこま。
「青春時代」に感じたのとはまた違った、空気の味・・

 冬日和 つくづく見入る 空の色  鈴子

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寒中に温を思いながら

寒さがつのる中、3月から始まる「春挙生誕150年」を意識させる
事が目の前に顕われます。
一昨日は3月中頃から始まる、大津市歴史博物館での「蘆花浅水荘と山元春挙画塾」
と題した初っ端の展覧会の先触れ、としての誌上座談会の収録がありました。
場所は、そうでなくても冬の寒さは格別の当所座敷。
彦根にあって、近江の文化に関わる文物を取り上げて発信しておられる
S社の取材です。
座談者は主催の歴史博物館のK氏と膳所焼美術館のM氏と私。
お二人はこの分野の専門家ですが、かねてからの顔見知りであり、
私は取り敢えず、父、母から聞かされたことや、我が家に残された文献などから
知っている限りを言い放てばよろしと半ば開き直って気楽に話をさせて
貰いました。
後はもの慣れた態度で座をリードしていただいた雑誌編集者さんに
おまかせ。
ありあわせの暖房器具で何とかふるえが来ないうちに、「この仕事」
を終えることが出来ました。

 厳かに 万象寒の うちにあり   風生


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我が仕事始め

お正月半ばにして、表稼業というべき、拝観客ご案内という仕事
(落ち葉掃きや、廊下掃き、簡単な帳簿つけやお役所宛の書類の作成
なども、勿論我が仕事ですが、一応対価をいただくという意味を込めて)
を今年初めて相い勤めました。
昨年のBSTV放映の後急増した、ご夫婦で、という形。
二人でTVを観て、というのが多い中で、今回はご主人だけが
観ておられ、夫人を誘われたとの事。しかも夫人は行く先を知らされず、
とに角俺について来いとクルマに乗せられて、という最近には珍しい!パターン。
隣県の鈴鹿市在住で、ご主人は滋賀県立美術館友の会会に最近入会のようでも
ありました。
(ちょっとは春挙のこともご存じの様子)
しかし、拝観者としての主導権を取られたのは、夫人の方。
私の先ずは定型的な、客間からの説明に素早く(的確に)反応、
「オモシローイ、タノシー・・」という合いの手が帰ってきます。
ご主人は、静かに、「どうだい、わたしの選択は正しいだろう」
という顔で夫人をみておられます。
これ、案内する私の立場からも好もしいパターンの一つです。
こいつぁ、今年ゃ出足よし・・・久々のご案内、楽しく終始しました。
このところ止むことのない、「冬の冷気」の下、ホノボノした
気分で若いご夫婦を見送りました。

  冬の空 昨日に続き 今日もあり  爽波

  

   






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冒頭寒あり、閑もあり

年明けて早や一旬。
相変わらずのスピードで時は過ぎて行きます。
今年の年明けは、本来(と言っていいのか)の「冬」らしく。
朝寝床を離れた瞬間のブルっと感はハンパじゃなく、若いころの
「冬の朝」がすぐそこに来てます。
門を開けに出る時には「北風」が容赦なく吹き付けます。
雪も結構飛んでます。
晴れていれば、青空の色は深く高く澄み渡ってます。
いつか見たキチンとした「冬」です。
一方、昨年の後半あれ程賑わった来客は、元日から(こちらが
少し、受付を絞ったこともあり)コロナ禍の急上昇が日本でも
激しくもたらされていることもあってか、ストンとペースダウン。
半年の疲れを癒すいとまをくれています。
今年に予定された行事を前の有りがたい休養期間と受け止めます。
気付け薬もトソ酒から、通常のアルコールへと、巡行速度に入りましょう。

  寒の日の 爛爛とわれ 老ゆるかな  宋淵

この、のどかなようなそうでないような老境を詠んだ句を見つけ、
この境地に至るのはどんな人かな、と少し調べてみると・・
臨済宗、昭和の大老師であった人(我が勉強不足)のよう。
しばらく辿ってみたいと思わせる人です。


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久々の京(みやこ)

今年になっては、勿論初めて。
調べてみると、10月の終わりに、同じこのS病院に定期的な
診断と薬貰いに行って以来です。
時間をきっちり決めて出かけるのもそうですね。
そこに掛けた予定カレンダーは昨年の後半からほとんど
真っ黒になっていたのですが、大半は来客(拝観)のお名前です。
お薬は去年の暮でほとんど切れかかっていたのですが、年の瀬まで、
来客に追われ、気が付けば年明け七日しか「日」が無い状態でした。
病院に行く日が迫るや、落ち着いていたコロナ君突然国内でも
暴れだし、京都も例外ではありません。
いささか迷いましたが、通い慣れたS病院の清潔感や先生の明快な態度、
スタッフの人たちのキビキビしたふるまいを思い浮かべてGoとしました。
電車も病院もそんなに混んでおらず、先生に、相変わらぬ我が”オトソ”の
飲み方をひやかされたりしながら、病院での今年初京都は事なく
(多分)過ぎました。
「こうなりゃ、少し時間もあるし、吉田神社(毎年お札をもらっている、
兼好法師で有名なお宮です)へも回ろうか」と電車からバスに乗り換えます。
こちらも、3が日をはるかに過ぎているせいか、ゆったりでした。
今年はいろいろ行事もお客さんもあるだろうな・・例年より
すこしお札(ふだ)にもはりこんで!石段をおりました。
いつもなら1月2日にやって来て、ここから大学のテニスコートに向かうのですが、
昨年、今年とコロナ禍を受けてコートに入ることもできません。
よく行く傍の食堂はあいてるかな?おばさんたちに挨拶していくか。
開いてました。席は適当にディスタンスもとってあり、こちらも、すいてます。
挨拶して、一隅に座れば、口は開かずともビールが出てきます。
とりとめもなく語る事しばし。
大学周辺での一連の「儀式」を滞りなく納め、何となく晴れやかに、
帰路に着きました。






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’22.1.1~1.2

新しい年ともなれば、昨日に続く今日とは言え、ちょと気分も違う・・?
まして、昨年後半あたりから、このブログにも時々、来たる年は
蘆花浅水荘造営101年とか春挙生誕150年とか、意識的に載せてます。
しかしそんなに力んでもどうなる訳でもなし、と生来のなまけ心も
だんだん大きくなり・・
2,3の企画が日程に上っているのをよいことに、それらの
流れに身を任さんと「決意」して、トソを酌みます。
眺めるともなく眺めるTVの画面には、元旦から懸命に走る実業団や
大学の駅伝ランナーや、ボールを追うラガーメンの姿・・
種目は違えど、自分も半世紀前には、吹けば飛ぶようなボールやその
後ろにいる人間の動きを追いかけていましたね、それらを
コントロールすることが人生の一大事であるかのように。

しかし、「流水先を争わず」、「無為自然」今の自分に「出来る」のは
こんな方向か、と割り切れますかな・・

  二日暮れ 今年も二日 たちにけり  風生

こんな境地へ・・・





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